金鋒先生一代記
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落ちこぼれの学生から勉学の道へ
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金先生が教授を務める中国科学院は、自然科学などの中国最高研究機関で、世界でもトップクラスにランクされています。
乳酸菌研究の最前線で活躍している金先生ですが、子どものころから勉強が好きで、頭がよかったわけではなく、むしろ、その逆。中学生時代は、カンニングで試験を切り抜け、高校生になり、お住まいが北京に移ると、机と机の間も広く、カンニングもできないため、しかたなく勉強するしかなかったという学生でした。学校の先生からは、「高校生とは思えない。小学生のようだ」と言われ、恥ずかしく思ったと話していました。
転機は高校を卒業したとき。ふたつの選択肢がありました。ひとつは軍隊に入ること。もうひとつは田舎へ行き勉強をすること。軍隊に入ると、食べ物もいいし、生活がラクなのですが、兄からは、「お前は田舎へ行け。軍隊には入るな」と強く言われ、田舎に行くことを選択しました。田舎に行って感じたのは、「勉強しないと私の人生はない」ということ。
それから、金先生は勉学に打ち込むようになりました。