生産者STORY
- サティス製薬STORY Pureシリーズ編
肌を、髪を、イキイキさせたい「ピュアシリーズ」誕生秘話
株式会社サティス製薬 代表取締役 山ア智士さんに聞く
<ゲル>の技術をベースに国産原料にこだわり、肌にやさしいエイジングケアアイテム「ピュアシリーズ」を開発した、株式会社サティス製薬代表取締役、山ア智士さんにお話しをお伺いしてきました。
- 素材の力をよりよく引き出すために
サティス製薬というと、〈ゲル〉の技術ばかり注目されるんですが、私たちのスタンスは素材主義。昔から変わらないんです。〈ゲル〉も、もともとは「素材を活かす」という発想から磨いてきた技術です。
「どういう素材でどういうものを作るか」というのは、商品設計の当たり前のセオリーとしてあります。
まず、原料カタログのようなものがあって、われわれ技術者が何を使おうか、そこからピックアップして、処方して、製品を作っていく。これが、商品開発の、ざっとした流れです。
けれども、そこには載っていない素材を使ったらどうなるか。
そういう好奇心は、誰もが持っているはずです。でも、これは一技術者が判断することではなく、会社が判断していかなければならないことです。
そこを、われわれの会社は、僕が判断して舵を切ってきたので、すでにある素材からのものづくりということだけではなく、「何を作ったらいいのか」ということを起点にして、結果的にどういう素材が必要なんだというところまで追求していくというスタンスを貫いてくることができたわけです。
ですから〈ゲル〉の技術も、〈ゲル〉自体がほしくて目指したということではない。やりたいことがあって、〈ゲル〉の技術に行きついたということなんですね。
たとえば、トリートメントしようとします。まず、水分と油分が絶対に必要になります。水と油を混ぜなければならない。しかしながら水と油は、そのままでは混ざり合いません。水と油が混ざることを、乳化と言いますが、乳化するための何らかの乳化剤や方法、科学の力が、必要になってきます。
けれど僕は、そうはしたくない。主役の素材にこだわりたい。
そこで〈ゲル〉の技術が必要になった。そういうことなんです。
- <ゲル>の技術
皮ふ、その表面部分、表皮にある角質は、水と油が混ざらないことが前提の構造になっています。水をはじきますよね。そこを過度にお手入れすると、角質が対応できなくなる。そうすると、一定の品質を保てなくなってくる。美容用語で言う、年齢肌がそうです。
年齢肌と言うと、自然の流れのように受け止められますけれども、僕は、単に年齢だけが原因ではないと思っています。
本来、角質というのは、1か月で新品に変わります。こんなに早い代謝サイクルを持っている器官はほかにありません。それなのにトラブルが起きる。
これは、角質に、相当な刺激が与えられているということです。
私たちのまわりを見てみると、大気を汚染するものが数多く存在します。空気が汚れている。また、オゾン層の破壊で外的刺激が強くなっている。食品添加物など、食べ物の問題もある。生活サイクルの乱れやオーバーワークなどなど、影響を与えているであろう原因はいっぱいあります。ひとつではない。
女性がひんぱんに使っている化粧水。これも少なからず影響を与えていると思っています。皮ふに直接つけるわけですからね。
水と油をなじませようとするもので、皮ふのデリケートな角層をお手入れをすること自体に問題があるのかもしれない。それでは、皮ふを保つためにどうしたらいいのか。
水と油を一緒にするというのはスキンケアの本質なので、否定することはできません。であれば、水と油を混合させた状態にするために、私たちメーカーが、過度に手を加えないものを作ればいい。肌になじみやすいスキンケアアイテム。これが、商品開発のうえで、目標になってくるわけです。
そんな理由で〈ゲル〉の技術を磨いていくことになったんです。
「ピュアシリーズ」でも、ローションなど、水ベースで作れるものを除いて、すべて<ゲル>の技術が使われています。
- 原料から加工まで一貫した商品づくりができる
「ピュアシリーズ」の基本は、栗渋皮です。
もともとは埼玉県から、栗の皮が大量に捨てられて困っている、なんとか再利用する道はないかというご相談をいただいたんです。そこで調べてみたら、高濃度のプロアントシアニジンが入っていた。新種の栗も栽培するという。こっちを調べてみたら、さらに含有量が多い。新種のぽろたんという栗です。
栗渋皮は、ポリフェノールを、良い状態のまま高濃度で取り出すことができました。
また、再利用するという、環境に配慮した社会性も極めて高い。
ポリフェノールの持つ、肌に対する作用というのは、女性の方々にはおなじみだと思うんですが、これまで、ポリフェノールを効率的に取り出せる植物、原料はありませんでした。
栗渋皮は、私たちが手がけてきた素材のなかでも、とくにうれしい発見です。
しかし、栗渋皮がいくらよくても、単独の素材には、どうしても弱点があります。そこで「ピュアシリーズ」では、お茶、チャ葉エキスも採用しています。
お茶を配合した化粧品はいっぱいあります。私たちのようなメーカーが原料メーカーから調達するお茶はおもに中国のもの。でも、僕は「地産地消」、国産にこだわりたかった。
そもそも中国からお茶が伝来してきたときには、サプリメントに近いかたちで入ってきているんです。私たちが現在飲んでいる嗜好品としてのお茶。これは、中国から渡ってきたお茶を改良して、口当たりがよく、栽培効率もよくと、長年、品種改良を繰り返してきました。
中国から渡ってきたときのお茶とどう違うのか、興味を持って調べました。
中国から渡ってきたものに近いお茶の木、私たちは原木と呼んでいるんですが、それを探しに探して見つけました。静岡県に数本、残っていたんです。
芽を摘ませていただいて調べたら、「これこそ求めていたお茶だ」と直感しました。
埼玉県のぽろたんの栗渋皮。静岡県の原木のチャ葉エキス。自分たちで素材を現地から調達して配合できる、原料から加工して、最終的にプロダクツ、商品にまで仕上げることができる。お茶が持っている、栗渋皮が持っている、それぞれの働き、個性を把握している。それぞれ、いいところもあれば、悪いところもある。すべてを掌握して商品化する。これは、すべてを知っているからこそできることだと思います。
これこそが私たちの強みではないかと思っています。